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講話

10月7日 朝礼

おはようございます。
 もう10日ほど前のことになりますが、今年の体育祭は、閉会式の講評でも話したように、みんな結束して一生懸命にやってくれましたが、特に高3や高2がきちんとやってくれたので、いい雰囲気だったと思います。やはり上の学年がしっかりやると、全体が引き締まります。学校はいつもこうであってほしいなと思います。

 さて、体育祭が終わって、また今学期の最初に掲げていた「一生懸命」という言葉を掲示してもらいました。言葉を変えてもよかったのですが、中間試験が近付いてきたので、一生懸命に勉強をしてもらおうということで、まだしばらくこの言葉を掲示しておきます。
 この「一生懸命」という言葉には、命を懸けるという字が含まれています。さすがに死ぬことを覚悟してとまでは思いませんが、それでも、できるだけ楽をしようなどという考えは捨てて、どんな苦労も厭わない覚悟で取り組まなければ「一生懸命」とは言えません。

 今の自分というものは、過去に一生懸命にやったことが土台になっているはずです。同じように、今一生懸命やることは、これからの自分の土台になるはずです。何事にもあまり一生懸命になることがない人は、土台が弱い、そうすると、順調にいっているときはいいのですが、ちょっと失敗したりうまくいかなかったりすると、すぐに挫折してしまいます。
 実際に、広島学院には、ここというときに、一生懸命になる生徒が多いと思います。だけども、誰でも、そうできないときもあるでしょう。そういうときに、一生懸命にやっている友達を見て、自分も何とかしなければという気持ちになってほしい。ありがたいことに、私達は、その気になればいつでも一生懸命に何でもできる環境にいます。だから、ここというときには、なるべく楽をしよう、できるだけ要領よくやろうなどと考えずに、正面から一生懸命ぶつかっていくことを意識してもらいたいと思います。

 ところで、1ヶ月半も前の話になりますが、大リーグのイチロー選手が日米通算4000本安打を達成しました。これがどれほど偉大なことなのか、私は本当には分かっていないのだろうと思いますが、でも、一生懸命に野球に取り組んできた結果だろうということはわかります。試合後の記者会見で、印象的な言葉をいくつか残しています。みんなも聞いたかもしれませんが、一部を紹介します。

 まず「4000本打つのに、8000回以上、悔しい思いをしてきた。そこに自分なりに向き合ってこれた。誇れるとしたらそこじゃないですかね」と。そして「うまくいかないことと向き合うのはしんどいが、これからもそれを続けていく」と言っていました。
 また、以前には「小さいことを積み重ねるのが、とんでもない所へ行くただ一つの道だと思う」とも言っています。
 なかなか言える言葉ではないけども、イチロー選手はそれだけのことをやってきているので、説得力があります。

 今紹介した「うまくいかないことと向き合うのはしんどいが、これからもそれを続けていく」そして「小さいことを積み重ねるのが、とんでもない所へ行くただ一つの道だと思う」という言葉と「一生懸命」ということばを重ねて味わってほしいと思います。

 来週は中間試験がありますが、うまくいかないことともしっかりと向き合って、小さいことを1つ1つ一生懸命に積み重ねて、準備をしてください。

 最後に話は変わりますが、今月は毎朝聖堂で、祈りの集いがあります。いいお話を聞き、少し瞑黙をして、短い祈りを唱える、こうして静かな雰囲気で一日を始めるというのは、いいものです。ぜひ1回でも2回でもいいから、行ってみてください。特に、別館や聖堂は来年春には取り壊しが始まる予定なので、聖堂の雰囲気もしっかりと味わっておいてほしいと思います。