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講話

6月22日 朝礼

おはようございます。
 先週の土曜日にオープンスクールがありました。準備の段階から多くの生徒が手伝ってくれましたが、特に当日は、中1の生徒は全員、そして他の学年も生徒会や代表者会議、クラブ関係の生徒を中心に、たくさんの生徒が一生懸命に働き、もてなしをしてくれていました。今年も大勢の方が来てくださいましたが、学院に憧れを感じてくれた小学生もたくさんいたと思います。色々な形で協力してくれた生徒のみんなに感謝します。

 さて、「生活実態調査」を6月に入ってから各学年で実施しましたが、その結果を先日見せてもらいました。その中で特に気になることが2点あったので、その話をします。

 まず1つは、平日の勉強時間についてですが、毎年中1に配る「学院生と学習」という冊子には、「広島学院では毎日2~3時間の家庭学習を要求しています」とあります。この言葉通り、放課後の学校での勉強も併せて毎日2時間以上家庭学習をしていると答えている生徒の割合を学年ごとに調べてみると、当然のことながら高3が断然トップ。それ以外の学年では、中1と高2はまずまずでしたが、他の学年は少ない。本当は何時間勉強をしたかというのが問題なのではなくて、どれだけ集中して質の高い勉強をしたかというのが問題ですし、同じことをするにしても人によってかかる時間はずいぶん違う。だけど、それにしても、中2、中3、高1は、勉強の足りない生徒が多いと言わざるを得ない、そんな結果でした。

 もう1点、気になるのが、ネットやゲームに関する調査です。平日に毎日1時間以上ネットやゲームをするという生徒の割合が、中3、高1、高2ではかなり多い。このネット関係では、1年半ほど前に総務省が実施した調査の結果、日本の高校生の6割に「ネットへの依存傾向」が見られたそうです。「依存」とは、長時間やり続けてなかなかやめられず、健康や生活に支障が出てきている状態のことをいうのだそうです。長時間とはどれくらいのことなのかはよく分かりませんが、1時間、2時間と熱中すれば、それだけ勉強時間や睡眠時間が減ります。そして時間が犠牲になるだけでなく、勉強や睡眠の質も低下するそうです。経験者はわかっていると思いますが、ああいう画面を長時間見た後は勉強しても集中できない、寝る前に見るとぐっすり眠れない、寝覚めが悪いといったことがあるのだそうです。
 そういう生活を毎日日続けると、家では勉強ができなくなるし、授業中は眠たくなって居眠りをする。そのうち勉強についていけなくなり、それが面白くないからますますネットやゲームにはまり込む。こういう悪循環に陥ると、心身ともに健康を損なってしまいます。さらにネットやゲームというバーチャルな世界に浸りすぎると、リアルな人間関係で成り立っている現実の社会に出ていく勇気やスキルが身につき難いとも聞きます。これも大きな問題です。

 10年近く前、当時の高2に対する調査では、4割の生徒が、自分の携帯は持っておらず、9割の生徒は、自分の部屋にはネット環境がありませんでした。そして、半数以上の生徒は、平日はネットやゲームはほとんどしないと答えていました。今とは時代の違いを感じます。みんなは随分便利な世の中に生きていますが、その一方で、自分自身が余程しっかりしていないと、色々な危険のある難しい時代を生きているともいえます。

 自分は大丈夫だ、1時間ぐらいは問題ないと思うかもしれませんが、毎日やらないと気が済まない、やめなければというときでもなかなかやめられないという状況だと、総務省の調査にある「依存傾向が見られる」の6割に該当するということかもしれません。そして、こういう依存というのは案外短時間で簡単になってしまうというのも、ネットやゲーム依存の特徴だそうです。
 私たちは、そういう危険と隣り合わせにいるということを、よく考えてもらいたいと思います。