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講話

5月15日 朝礼

おはようございます。
 中間試験まで1週間となりました。放課後部活のない生徒は、すぐに帰宅して勉強するか、学校に残って勉強するか、とにかくみんなで勉強の雰囲気を作ってもらいたいと思います。

 さて、昨年の秋に実施された「日本・アメリカ・中国・韓国の4カ国の高校生の意識調査」の結果が最近発表されました。今朝はその中で気になったものについて、ほんの一部だけ紹介します。勉強に対する意識も将来に対する意識も、総じて日本の高校生は低く、アメリカや中国の高校生は高いようです。ここでは日本とアメリカの数字を紹介しますが、数字がどうこうというよりも、自分だったらこの設問にどう答えるかをよく振り返ってもらいたいと思います。

 まず「勉強の仕方」について
「試験の前にまとめて勉強する」と答えたのは日米とも約70% 
  日頃なかなか手が回らない教科の勉強に重点的に取り組むというのであればいいが、みんなはど
  うでしょうか。
「できるだけ自分で考えようとする」:日33% 米62% 
  アメリカの高校生も少ないと思うが、みんなは、少々難しいことでも何とか自分で考えて解決し
  ようと努力していますか。
「勉強したものを実際に応用してみる」:日10% 米66%
「教わったことを他の方法でやってみる」:日8% 米46%
  こういった「実際に応用してみる」「他の方法でやってみる」といったことが、普段みんなの意
  識にあるかどうか、振り返ってみるといい。

 次に「授業の内容が分からないときどうすることが多いか」という質問に対して
「友達に聞く」:日63% 米88%   「先生に聞く」:日44% 米82%
  本校でも、まだまだもっと多くの生徒が先生を活用すればいいと思う。
「ネットで調べる」:日35% 米85%
  みんなは、そのようなネットの使い方をしますか。

ついでに
「授業中の居眠りはよくある」:日15% 米4% 「時々ある」も含めると:日63% 米17%
「先生を尊敬することは大切」:日21% 米74%
  これらは数字の紹介だけにしておきます。

そして、「人生の目標」について
「社会のために役立つ生き方をする」:日35% 米64%
「リーダーになる」:日6% 米51%   「高い社会的地位に付く」:日14% 米31%
  アメリカの数字を見ると、地位や名誉よりも「社会に役立つ」や「リーダー」といった生き方を
  大切にしたいという意識があるように感じられるが、みんなはどうでしょうか。

 調査結果についてはこれぐらいにしておきますが、この結果を見て思い出すのは、アメリカのある心理学者が2年ほど前に発表した「成長できる考え方」と「成長できない考え方」の違いです。

 それによると、私たちが物事を考えるときのその根本に持っている態度は、人によって「固定された思考態度」の人と「成長する思考態度」の人の2通りに分類されるそうです。
 「固定された思考態度」の人は、自分で意識しているかどうかは別にしても心のどこかで「あれはこういうものだ」とか「これは自分にはできない」というように、自分で限界を決めてそう思い込んでいる人。「成長する思考態度」の人は、そういう思い込みのない人だそうです。
 
 そして、それぞれの思考態度がもたらす結果として、次のようなことが言われています。
 「固定された思考態度」の人は、努力は実を結ばないと考えがちで、いつも今の自分自身の状態が他者からの評価対象になるとの意識があるので、人の目が気になり、自分をよく見せたいという気持ちが強くなる。だから、失敗の可能性のある挑戦は避けたがり、困難な時のあきらめも早く、結局、自分で自分の成長を妨げてしまっている。おそらく先のアンケートで勉強や将来に対する意識が低い人も、このタイプでしょう。
 一方「成長する思考態度」の人は、今の自分は成長過程で努力は成長への通過点と考え、成長するために学びたいという意欲が大きい。だから何事にも積極的に挑戦し、困難にも粘り強く堪え、人からの批判や人の成功からも学ぶ。その結果、知性や感性、能力を伸ばしていくことができる。

 こういった思考態度の違いは、持って生まれた天性によるのではなく、どう考えるのかという意識によるのだそうです。「成長する思考態度」を育てるためには、とにかく何でも思い込みで限界を決めつけないように心掛けること。そして特に、人格や知性、感性は、努力によって成長させることができると信じ、成長したいという欲求を持つことが大切なのだそうです。
 自分は「固定された思考態度」ではないかと思う人は、意識を変える努力をしてみてはどうでしょうか。