コンテンツにスキップ

講話

2学期始業式

おはようございます。
 1日遅れとなりましたが、今日から2学期ということで、まずはみんなの元気そうな顔を見ることができてほっとしています。

 夏休みを振り返ってみると、特に今年は天気の良くない日が多かったように思います。昨日もそうだったけど、夏休み中に何日間か気象警報が出されました。そのために、今年が第1回目になるはずだった中1の牛窓でのキャンプが中止になり、いくつかのクラブの遠征が中止になり、高3の模試の日程も大幅に変更になり、始業式も今日になりました。
 「警報は出ているけど行事を中止にするほどではないのに」と思った生徒もいるかもしれません。私もついつい「早く警報を解除してくれればいいのに」といいたくなることがありますが、本当は、用心をしたけど何事もなくてよかったと思えるようでありたい。この意識が、防災の基本だろうと思います。

 さて、夏休みを振り返って、みんなの意識にはほとんどないことかもしれませんが、実は本校にとって大きな出来事として挙げられるのが、イエズス会の総長が広島に来られたということです。

 イエズス会の総長というと、かつては「黒衣の教皇」と呼ばれることもあったそうです。今はあまり見なくなったけど、カトリックの司祭は、スータンといって足首の辺りまである丈の長いコートのような服を着ることがあります。教皇は白いスータンを着るのに対して一般の司祭は黒いスータンを着るということで、「黒衣の教皇」という言葉には、「カトリック教会の中では一般の司祭という立場でありながら、陰で世界の教会を動かしている」というような意味があったようです。
 本当は、特別な立場を求めることなく、必要とされている場で与えられた大きな使命を果たす姿を「黒衣の教皇」と表現されたのだとも聞きました。いずれにしても、イエズス会の総長は、昔も今もカトリックの世界に大きな影響力を持つ方です。
 
 初代の総長はイグナチオ・デ・ロヨラ、今回来られたアルトゥロ・ソーサ総長は第31代です。ベネズエラのご出身で、3年前に総長に選ばれました。総長は、任期中に必ず1回は世界中を回って、各地のイエズス会員や協力者と会うことになっているそうです。実は1971年に、本校の創立と深い関わりのあったペドロ・アルペ総長が、本校を訪問されました。そのおよそ20年後には、その次の総長も本校を訪問されています。どちらの訪問も、全校生で盛大に歓迎したようです。
 今回は夏休みだったので、本校には来られず、エリザベト音大で歓迎集会がありました。この学校からも、生徒や保護者、教員など、合わせて80人ほどが出席しました。

 その中で総長は「イエズス会のそれぞれの学校や施設、組織が、今後10年間に特にミッションとして意識して取り組んでいくべき4つの優先課題」について話されました。今年の春、総長が世界中のイエズス会員や協力者に発信されたものです。
 当日の話は少し難しかったように思いますが、分かりやすい言葉に直すと、その4つとは
「大切なことの中でも特に大事にすべきことを選んで行える人になること」
「弱い立場の人たち、貧しく社会の片隅に追いやられている人たちを大切にすること」
「未来を創る若者たちと共に歩むことを大切にすること」
「私たちが暮らす地球の環境を大切にすること」
です。(イエズス会教育推進センターのホームページより)

 来週の火曜日に理事長が来校され、この4つの課題についてみんなに話をして下さることになっているので、しっかりと聞いてください。
 またその翌日の水曜日にはイエズス会日本管区の管区長が来校され、全校朝礼を開いて挨拶をしていただくことになっています。
 理事長は、上智大学や姉妹校の4つの中高などを含む学校法人上智学院の最高責任者です。管区長は、日本のイエズス会の最高責任者です。来週は、そのような本校にとって大切な方の来校が続くということを、知っておいてください。

 最後になりますが、1学期の終業式に「自分はこれだけのことはやった」といえるような夏休みを過ごしてほしいと言いました。大きいことでも小さいことでも、うまくいったことでもいかなかったことでも、みんなそれぞれに何かを経験した夏休みだったことと思います。その1つ1つの経験を、ぜひ自分自身の成長につなげてもらいたい。
 2学期は、体育祭や文化祭など大きな行事があります。そういった行事に積極的な気持ちで参加するかしないかによっても、この2学期は随分違ったものになります。
 いい2学期になるよう、今日からまた新たな気持ちでしっかりと取り組んでいきましょう。